水道編

43 東京の水道水は安全ですか?

東京都健康安全研究センターにおける蛇口水の測定結果では、2012年5月4日以降人工の放射性物質は「ND(不検出)」が続いており、乳児を含むすべての方が飲むことができます。

2011年3月には、降雨などの影響により、一部の浄水場で100Bq/kgを超える値が検出されたことから、同年3月23日に東京都水道局から一部の地域において、乳児への水道水の摂取を控えるよう広報がなされましたが、翌日に制限が解除されています。

44 井戸水は安全ですか?

厚生労働省が設置した「水道水における放射性物質対策検討会」の中間取りまとめによると、「放射性セシウムについては、土壌等に吸着し地面表層に残留し、地下に容易には浸透しないため、地下水への影響が現れる蓋然性は低い」とされています。

井戸水からの放射性物質の検出状況については、各自治体や厚生労働省などが公表する地下水を水源とする水道水のモニタリング結果などを参考にしてください。

福島県内の飲用井戸や地下水を水源とする、水道事業の水道水の検査結果では、現在までに放射性物質が高濃度に検出された事例はありません。

45 家庭で使用している水の検査をしてもらえますか?

東京都では、農産物や水道水等の検査に分析機器を使用しているため、一般の方からの検査依頼は受け付けていません。民間の検査機関へお問い合わせください。

46 水道水の測定はいつごろ公表しているのですか?

東京都健康安全研究センターでは、午後3時に蛇口から2リットルの水道水を採水し、検査を行っています。

同センターで実施している降下物及び水道水の検査は、どちらも半日程度かかり、分析器機器が1台しかないため、検査結果の公表には1日程度を要しています。

47 東京都健康安全研究センターの水道水の放射線量測定結果が水道局の発表する値と異なっていますが、なぜですか?

水道局と東京都健康安全研究センターの測定は、採水場所や測定時間などが異なるため、測定結果が異なります。

48 東京都健康安全研究センターの蛇口水から2011年7月2日にセシウム137が0.14 Bq/L検出されている理由は何ですか?

放射能の測定では、測定する試料の状態や測定条件などにより測定時の誤差の大きさが変わるため、定量できる濃度が変動します。 現在の測定条件では、測定値が概ね0.2 Bq/Kg以下の場合には「ND(不検出)」となります。

2011年7月2日に検出された値は、定量下限をわずかに超える値でした。 同じ東京都健康安全研究センターにおける降下物の測定結果は、同日の前後でいずれも ND(不検出)となっていますので、福島第一原子力発電所から新たに放射性物質が飛んできたとは考えにくい状況です。

49 水道水の放射性物質に関する測定結果はどこで公表されていますか?

水道局は複数の浄水場の出口水について検査を行っています。東京都健康安全研究センターでは、敷地内(新宿区百人町)の蛇口水の検査を行っています。

全国の状況については原子力規制委員会のウェブサイトをご覧ください。

50 毎日の水道水(蛇口水)の検査と3か月分の水道水(蛇口水)の検査は何が違うのですか?

毎日の水道水の検査は、採取した蛇口水2リットルをそのまま検査しています。

一方、3か月分の水道水の検査は、毎日1.5リットルの水を採取し、3か月分まとめて水分を蒸発させて濃縮したものを検査しています。 この方法では、毎日の検査より微量の放射性物質まで、感度高く測定することができます。

51 3か月分の水道水(蛇口水)の検査では放射性セシウムが検出されていますが、飲んでも問題はありませんか?

水道水の管理目標値は、飲料水と同様に放射性セシウム(セシウム134、セシウム137の合計)が10Bq/kgと設定されています。

水道水中の3か月分の放射性セシウムの測定値は、0.003から0.0071 Bq/kgで推移しており、管理目標値と比較して非常に低い値となっています。

52 検査結果の数値について、判断基準はありますか?

2012年4月から食品衛生法に基づく飲料水の放射性セシウム(セシウム134、セシウム137の合計)の基準値が10Bq/kgになったことを受けて、水道水については管理目標値として放射性セシウム10Bq/kgが設定されました。

WHO(世界保健機関)の飲料水水質ガイドラインでは、放射性セシウム濃度10Bq/kgを1年間連続して超過した場合に、年間線量0.1mSvを超える可能性があるとされています。 水道水中の放射能濃度がこの濃度を超過すること自体は、水道水が飲用不適であることを意味するものではなく、原因究明等の調査の必要性を示すものとしています。