健康影響編
放射線が体にあたるとどうなるのですか?
人間の体はたくさんの細胞でできています。放射線は細胞の遺伝子を傷つけます。 少量であれば、すぐに傷が修復されて人体に影響は出ませんが、大量に放射線を浴びると、傷の修復が追いつかず、細胞が分裂できず死んでしまったり、 がん細胞になったりすることがあります。
放射線の影響を受けやすいのは、新しい細胞をつくるために分裂を多く繰り返している、皮膚、消化管粘膜、骨髄、生殖細胞(精巣、卵巣)などです。
内部被ばく、外部被ばくとは何ですか?
放射性物質を体の内部に取り込んだ場合の被ばくを内部被ばく、放射性物質が体外にあって放射線だけが体に照射された場合の被ばくを外部被ばくといいます。
内部被ばくはどのようにおきるのですか?
放射性物質を体の内部に取り込む経路には以下のようなものがあります。
- 放射性物質を口から取り込む(汚染された飲食物を摂取するなど)
- 放射性物質が皮膚の傷口から血管に入る
- 放射性物質を含んだ気体を肺で吸い込む
原発の放射性物質からの被ばくは、自然被ばくや医療被ばくより危険性が大きいのではないですか?
自然放射線と人工放射線の違いは、放射線の源が自然のものか人工的なものかによるものです。 放射線が当たった時の人体への生物学的な影響の度合いを測る単位であるシーベルトで比較した場合、シーベルトが同じなら放射線被ばくそのものの人体への影響は同じです。
雨に含まれる放射性物質が心配なのですが?
原発事故直後の平成23年3月から平成23年4月にかけては、雨が降った日の降下物中の放射性物質の数値が上昇していましたが、平成23年5月15日以降は、概ね、不検出の状況が続いています。
原発事故直後から1年間、都内で日常生活をした場合、外部から受ける放射線量の合計はどれくらいと推定されますか?
空間放射線量を積算した結果、新宿では、1年間で最大でも約0.1mSvでした。計算方法は以下のとおりです。
①
平成23年3月14日から平成24年3月13日までの実測値を累積し、そこから、自然放射線量を差し引いて年間の積算量を求めます。
②
この積算に、一般の人の生活モデルとして国の原子力安全委員会で採用している方法を参考とし、1日8時間屋外活動を行い、残りの16時間は木 造の家屋にいると仮定します。
木造の家屋にいた場合の低減係数は、原子力安全委員会発行の「原子力施設等の防災対策について」に記載されている「平屋ある いは2階だての木造家屋0.4」を使用しています。
詳しくは表1を参照して下さい
平成23年3月14日から平成24年3月13日までの366日間の空間放射線量の累積 ()内は、新宿区の自然放射線量分 |
524.4μSv (303.9μSv) |
自然放射線量は原子力発電所の事故以前の平成21年3月14日から平成22年3月13日までの1年間の空間放射線量の平均0.0346μSv/hを基に算出 |
自然放射線量を除く空間放射線量の累積 | 220.4μSv |
屋外に8時間、木造家屋内に16時間いたと仮定して試算
一般の人が受ける年間推定積算線量 (平成23年3月14日から平成24年3月13日) |
132μSv (0.1mSv) |
木造家屋内滞在(1日16時間)における低減効果(係数0.4)を考慮 |